夫婦のきずな習慣

長年連れ添った夫婦へ 関係にポジティブな風を吹き込む「褒める」習慣

Tags: 夫婦関係, コミュニケーション, 習慣, 褒め方, マンネリ解消

長年連れ添ったご夫婦の間には、築き上げられてきた安定と信頼という素晴らしい財産があります。しかし、その一方で、日常の会話が減ったり、お互いの存在が「当たり前」になりすぎたりして、かつてのような新鮮さや心の通い合いが薄れてきたと感じる方もいらっしゃるかもしれません。これは多くのご夫婦が経験することであり、関係の終わりではなく、新たな段階への移行期と捉えることができます。

このような状況で、お互いの関係に再び温かな光を当て、ポジティブな風を吹き込むための一つの有効な習慣が、「褒める」ということです。感謝の気持ちを伝えることも大切ですが、「褒める」という行為は、相手の存在そのものや行動の良い側面に光を当て、お互いを肯定的に見つめ直すきっかけを与えてくれます。

なぜ今、夫婦の間で「褒める」習慣が必要なのか

長年一緒にいると、相手の良いところや、自分では気づかない努力は、当たり前のように感じられてしまいがちです。しかし、意識的に相手を「褒める」ことを習慣にすることで、いくつかの大切な変化が生まれます。

まず、お互いのポジティブな側面に意識が向くようになります。これにより、関係性全体が肯定的なものへと変化し、小さなことにも感謝や喜びを見出しやすくなります。

次に、たとえ会話が少なくても、質の高いコミュニケーションが生まれます。褒め言葉は、相手に「見守られている」「認められている」という安心感を与え、自己肯定感を高めることにつながります。相手の自己肯定感が高まることは、夫婦間の信頼関係をより強固にする基盤となります。

そして、「褒める」という行為は、一方的なものではありません。自分が相手の良いところを見つけようと意識することで、相手への関心が高まり、マンネリ化しがちな日常に新鮮な視点をもたらすことができます。

具体的な「褒める」習慣の実践方法

では、具体的にどのように「褒める」ことを日常に取り入れれば良いのでしょうか。いくつかの実践方法をご紹介します。

1. 相手の行動や変化に意識的に目を向ける

普段何気なく見過ごしている相手の行動の中に、褒めるポイントは隠れています。例えば、

などです。小さな変化や当たり前だと思っていたことの中に、「褒める」材料を見つける目を養うことが第一歩です。

2. 具体的に伝えることを心がける

抽象的な「すごいね」「いいね」だけではなく、具体的に「何を」「どう」褒めるかを伝えることが大切です。

例: * 「今日の夕食の〇〇、味がよく染みていてすごく美味しかったよ。作ってくれてありがとう。」 * 「最近、前より歩くようになったでしょう?健康に気を配っていて素晴らしいね。」 * 「あの難しそうな手続きを全部一人でやってくれて、本当に助かったよ。頼りになるね。」

具体的に伝えることで、相手は「自分の〇〇という行動が、あなたにこのように評価されているのだな」と理解し、より深く響きます。

3. 小さなことでも見つけて言葉にする

最初から大きな成果や特別な行動を待つ必要はありません。日常の些細なことの中にこそ、褒めるチャンスはたくさんあります。

例: * 「いつもお茶を入れてくれて、ありがとうね。」(感謝とセットで) * 「靴を揃えてくれていて、気持ちが良いね。」 * 「今日のネクタイ(または服装)、素敵だね。」

小さなことでも言葉にすることで、「見てくれているんだな」という安心感が生まれます。

4. 過去との比較で変化を見つける

長年の関係だからこそできる褒め方として、過去との比較で相手の良い変化を見つけるという方法があります。

例: * 「若い頃は少し苦手だったのに、今ではこんなに美味しそうな料理を作るようになったね。努力がすごいと思うよ。」 * 「以前は頑固なところもあったけど、最近は人の意見をよく聞くようになったね。落ち着いた、大人になったなと感じるよ。」

相手の成長や克服した点に触れることで、その人の人生そのものを肯定するメッセージになり得ます。

5. 「あなたのおかげで」を添える

相手の行動が自分自身や家族にどのような良い影響を与えたかを具体的に伝えることは、感謝と承認を同時に伝える効果的な方法です。

例: * 「〇〇が手伝ってくれたおかげで、作業が早く終わって助かったよ。」 * 「あなたがいつも笑顔でいてくれるおかげで、家の中が明るくなるね。」

「褒める」習慣を続けるためのヒント

習慣にするには、少しの意識と工夫が必要です。

「褒める」という習慣は、特別な出来事ではなく、日々の小さな積み重ねです。長年連れ添ったお二人の関係に、ポジティブな言葉のやり取りが増えることは、心の距離を自然と縮め、お互いをより深く理解し、尊重し合うための確かな一歩となるでしょう。今日から、身近なパートナーの良いところに目を向け、温かい言葉を伝えてみてはいかがでしょうか。